パーキンソン病との向き合い方|体と心を支える3つのポイント
パーキンソン病というと、
「手が震える病気」
というイメージを持っている方が多いかもしれません。
でも、実際には症状はそれだけではありません。
歩き始めの一歩が出にくい。動作がゆっくりになる。身体が固く感じる。バランスを崩しやすくなる。
さらに、便秘や立ちくらみ、疲れやすさ、睡眠の問題、気分の落ち込み、意欲の低下など、身体の動き以外にもさまざまな症状が出ることがあります。難病情報センターでも、こうした症状を「非運動症状」として紹介しています。
だからこそ、
「歩けるかどうか」だけを見ないこと
が、とても大切だと思っています。
今回は、在宅でパーキンソン病と付き合っていくうえで大切にしたい3つのポイントをご紹介します。
① 動ける力を、できるだけ使い続ける
パーキンソン病の方を訪問していると、
「転んだら危ないから、あまり歩かないようにしています」
という話を聞くことがあります。
もちろん、転倒には注意が必要です。
ただ、危ないからといって動く機会が減りすぎると、筋力や体力まで落ちてしまいます。
大切なのは、
「動かないこと」ではなく、「安全に動ける方法を考えること」
です。
歩く練習だけでなく、
ベッドから起きる。椅子から立つ。トイレまで移動する。玄関の段差を越える。近所を散歩する。
こうした普段の生活そのものが、大切なリハビリになります。
日本神経学会の診療ガイドラインでもパーキンソン病のリハビリテーションが扱われており、日本神経学会も早い段階から身体を動かすことの重要性を案内しています。
必要に応じて杖や歩行器を使ったり、家具の配置を変えたりすることもあります。
「自分で歩くこと」だけにこだわらず、その人が安全に生活を続けられる方法を探すことが大事です。
② 「薬が効いている時間」を知っておく
パーキンソン病では、同じ一日の中でも身体の動きが違うことがあります。
朝は動きにくかったのに、お昼になると動きやすい。
さっきまで歩けていたのに、急に足が出にくくなる。
こうした変化には、薬の効果が関係している場合があります。
治療が長くなると、薬が効いている時間が短くなる「ウェアリングオフ」がみられることもあります。
そのため、
「何時ごろ動きやすいか」
「薬を飲んでからどのくらいで身体が動きやすくなるか」
「逆に、何時ごろ動きにくくなるか」
を知っておくことはとても役立ちます。
例えば、お風呂や外出など身体をよく動かす予定を、比較的動きやすい時間に合わせられる場合もあります。
反対に、薬が効きにくくなってきた、転倒が増えた、動けない時間が長くなったという場合は、自己判断で薬を変えず、主治医へ状態を伝えることが大切です。
訪問看護では、こうした生活の中での変化を記録して主治医につなぐことも重要な役割だと考えています。
③ 身体だけでなく「気持ち」と「生活」も見る
これは、パーキンソン病の方と関わる中で特に大事だと感じるところです。
以前できていたことに時間がかかる。
外出するのがおっくうになる。
人と会うことが減る。
身体の変化が続けば、気持ちが落ち込んでしまうこともあります。
そして、その気持ちは外から見ただけでは分からないことがあります。
「最近、あまり話さなくなった」
「好きだったことをしなくなった」
「食事量が減ってきた」
そんな小さな変化も大切です。
また、パーキンソン病では便秘や睡眠障害、起立性低血圧、意欲の低下など、運動とは直接関係がないように見える症状も起こります。
だから、
PTは歩行だけ。STは飲み込みだけ。看護師は体調管理だけ。
と分けて考えるのではなく、
その人が今、生活のどこで困っているのかをみんなで考えることが大切です。
看護師、PT、OT、ST、ケアマネジャー、医師。
それぞれ違う視点があるからこそ、気づけることがあります。
「できなくなったこと」だけを見ない
パーキンソン病は進行性の疾患です。
だからこそ、
「前はできたのに……」
ということに目が向きやすくなります。
でも私たちは、
今できていることを、どうしたら少しでも長く続けられるか。
そこを一緒に考えることも大切だと思っています。
自分でトイレに行きたい。
家族と食卓を囲みたい。
散歩を続けたい。
孫に会いに行きたい。
人によって大切にしたい生活は違います。
病気だけを見るのではなく、
その人がどんな毎日を送りたいのか。
ギフトスマイルでは、看護師・PT・OT・STが連携しながら、その方らしい在宅生活を支えていきます。
これからも、
「生きるチカラと笑顔をつくる」
そんな関わりを大切にしていきたいと思います。
※症状や薬の効き方には個人差があります。症状の変化や転倒の増加、飲み込みにくさなどがある場合は、主治医や医療専門職へご相談ください。
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